第1節 計画の目的
本計画は、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第42条及び日の出町防災会議条例の規定に基づき、日の出町防災会議が作成する計画であって、町内の地震災害や風水害等に関して総合的な指針及び対策計画を定めたものである。
本町における地震災害及び風水害等の予防、災害応急対策、災害復旧の対策を実施することにより、町民の生命、身体及び財産を災害から守ることを目的としている。
第2節 計画の基本方針
本計画の基本方針を、次のとおり定める。
○防災アセスメント調査の結果を踏まえ、本町の防災上の課題を克服していく計画の策定を図る。
○阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、震度7の地震も想定した防災対策の確立を図る。
○地震や風水害等による被害を最小限とするため、災害の予防、災害発生時の応急対策及び復旧対策を含む総合的な計画とする。
○「誰が」、「何をすべきか」を明示した具体的でわかりやすい計画とする。
○町及び防災関係機関はもとより、「自らの安全は自らで守る」との観点から町民、事業者の役割も明示した計画とする。
第3節 計画の修正
この計画は、災害対策基本法第42条の規定に基づき、毎年検討を加え、必要があると認めるときには、この計画を修正する。
第4節 東京都地域防災計画との関係
この計画は、東京都地域防災計画と内容が共通するものについては都の計画を準用し、町が作成すべき事項については、国及び都の指針に沿った上、本町の実状にあわせて作成する。
第5節 計画の習熟
各防災機関は、不断の危機管理や災害等の防災に関する調査・研究に努めるとともに、所属職員に対する災害時の役割などを踏まえた実践的な教育・訓練の実施などを通して本計画の習熟に努め、地震災害や風水害等への災害への対応能力を高めるものとする。
第6節 本計画の構成
本計画の構成は、計画の方針、防災機関の業務大綱、町の防災環境等の計画全般に係わる事項をまとめた「総則」、地震災害への対応をまとめた「震災編」、風水害及び大規模事故災害等への対応をまとめた「風水害等編」、関係資料や様式等をまとめた「資料編」の4編か構成される。
日の出町及び防災関係各機関が行う事務又は業務は、概ね次のとおりとする。
第1節 日の出町
1 町
町は、災害予防、災害応急対策及び災害復旧対策に関し、次のことを実施する。ただし、災害救助法が適用された場合は、知事から委任を受け、又は知事による救助のいとまがないときは、補助機関として災害救助に当たることとなる。
1.防災会議及び災害対策本部に関する事務
2.防災に関する組織の整備
3.隣接市町村間の相互応援協力
4.自主防災会及びボランティアとの応援・協力
5.防災に関する施設及び設備の整備、点検
6.防災に関する物資及び資材の備蓄
7.町民への防災意識の普及
8.防災に関する訓練の実施
9.警報の伝達並びに避難の勧告又は指示
10.災害による被害の調査報告と情報の収集・伝達及び広報
11.災害の防除と拡大の防止
12.被災者の救助及び保護
13.災害時における交通、輸送の確保
14.災害対策要員の動員・雇上
15.災害時の医療及び助産救護
16.被災施設の応急対策及び復旧の実施
17.災害復旧・復興の実施
18.関係団体が実施する災害応急対策等の調整
19.清掃、防疫及びその他の保健衛生
20.被災産業に対する融資等の対策
2 教育委員会
1.被災児童及び生徒の救護及び応急教育
2.被災児童及び生徒の学用品の供給
3.文教施設の点検、整備及び復旧
4.避難場所及び避難所の開設、管理運営に対する協力
第2節 防災関係機関
1 東京都
(1)東京都西多摩建設事務所
1.河川の保全に関すること。
2.砂防施設の保全に関すること。
3.都道(橋りょうを含む)の保全に関すること。
4.河川、道路等における障害物の除去に関すること。
(2)東京都秋川保健所
1.医療施設の保全に関すること。
2.医療及び助産救護に関すること。
3.防疫その他保健衛生に関すること。
2 警察関係機関(警視庁五日市警察署)
1.災害地の警備情報に関すること。
2.被災者の救出及び避難に関すること。
3.行方不明者の調査及び死体の検死(検分)に関すること。
4.災害時における交通規制に関すること。
5.交通信号施設等の保全に関すること。
6.犯罪の予防その他の社会秩序の維持に関すること。
7.火薬類、銃砲刀剣類及び危険物の取り締まりに関すること。
3 消防関係機関(東京消防庁秋川消防署)
1.水火災及びその他災害の救助、救急情報に関すること。
2.水火災及びその他災害の予防、警戒及び防御に関すること。
3.人命の救助及び救急に関すること。
4.危険物施設及び火気使用設備器具等の安全化のための規制指導に関すること。
5.住民の防災知識の普及及び防災行動の向上並びに事業所の自主防災体制の指導育成に関すること。
6.応急救護知識・技術の普及及び自主救護能力の向上に関すること。
4 指定公共機関
(1)日本電信電話株式会社(多摩中央支店)
1.電信及び電話施設の建設並びにこれらの施設の保全に関すること。
2.災害時における通信の確保及び気象情報の伝達に関すること。
(2)東京電力株式会社(青梅営業所)
1.電力施設等の建設及び安全保全に関すること。
2.電力供給に関すること。
5 その他の防災関係機関
(1)日の出町医師会
1.医療及び助産活動に関すること。
2.町と医療機関との連絡調整に関すること。
(2)自治会(自治会長連合会)
1.初期消火、避難誘導、救出救護の協力に関すること。
2.被災者に対する炊き出し、救援物資の配分等の協力に関すること。
3.被害状況調査等災害対策の協力に関すること。
(3)自衛隊(陸上自衛隊第1普通科連隊)
1.防災関係資料の基礎調査に関すること。
2.自治体災害派遣計画の作成に関すること。
3.人命または財産の保護のために緊急に行う必要のある応援救護又は応急復旧。
4.災害救助のため防衛庁の管理に属する物品の無償貸付及び譲与に関すること。
(4)五日市郵便局
1.郵便、為替貯金、簡易保険、郵便年金事業の業務遂行管理及びこれら施設等の保全に関すること。
2.災害地における郵便はがきの無償交付、料金の免除、為替貯金及び簡易保険、郵便年金の非常扱い並びに地方公共団体に対する簡易保険、郵便年金積立金の応急融資等の運用管理に関すること。
(5)あきがわ農業協同組合(日の出支店)
1.被災営農者に対する指導協力に関すること。
2.農業振興資金等の貸出協力に関すること。
(6)公共的団体・その他防災上重要な協力機関の管理者
1.町の行う被害状況の調査及び応急対策に関すること。
2.災害応急対策についての協力に関すること。
自らの身の安全は、自らが守ることが防災の基本的考え方であり、町民はこの基本的考え方の基に、自主的に災害に備えるとともに、行政が行う防災活動と連携協力するものとする。
また、事業所は、従業員や顧客の安全確保、経済活動の維持、地域への貢献といった役割を認識して、防災体制の整備や防災訓練の実施に努めるとともに、災害により帰宅困難が予測される従業員等の保護のため非常用食糧等の備蓄やその他の対応策を講じ、防災対策の推進を図るものとする。
町民及び事業所が防災対策を進める上で果たすべき基本的責務は、以下のとおりとする。
■災害対策基本法
| 地方公共団体及び住民等の責務 | 地方公共団体の区域内の公共的団体、防災上重要な施設の管理者その他法令の規定による防災に関する責務を有する者は、法令又は地域防災計画の定めるところにより、誠実にその責務を果たさなければならない。地方公共団体の住民は、自ら災害に備えるための手段を講ずるとともに、自発的な防災活動に参加する等防災に寄与するように努めなければならない。(災害対策基本法 第7条) |
■東京都震災予防条例
|
区 分
|
基 本 的 責 務
|
| 都 民 | 都民は、災害を防止するため、相互に協力するとともに、知事及び区市町村が行う防災事業に協力し、都民全体の生命、身体及び財産の安全の確保に努めなければならない。(東京都震災予防条例 第11条) |
| 事 業 所 | 事業者は、知事その他行政機関が実施する防災事業に協力するとともに、事業活動にあたっては、その社会的責任を自覚し、災害を防止するため最大の努力をはらわなければならない。(東京都震災予防条例 第13条) |
地震災害、風水害及びその他災害等災害の種類に関係なく、住民及び事業所は、日頃から災害に対して備えるとともに、行政が行う防災活動と連携・協力していくものとする。
第1節 自然条件
1 地形
日の出町は東京都の西部、関東平野の西端部と関東山地の東部が接するところにあり、町域の南東部は多摩川と秋川にはさまれた秋留台地の西部を占めている。北西部は日の出山から派生した小尾根によって囲まれた山地が占め、平井川や北大久野川などの河川沿いには幅の狭い谷底平野が分布している。町内の市街地、集落はおおむね標高300m以下の地域にあり、町域は東西約12km、南北約2.5kmと東西に細長い形をしている。
町の総面積28.08km2のほとんどが多摩川の支流の平井川水系に属し、町境はほぼ平井川の分水界に一致する。町の最高所は西方の日の出山の 902.3m、最低所は東端の平井川に架かる観音橋河床の141.8mで、760.5mの高低差がある。
2 地質
日の出町は、関東山地と関東平野の境界に位置するため、山地と平野の両地域に見られる地層が分布している。関東山地の地質は、北から南へ三波川帯、秩父帯および四万十帯に分けられる。秩父帯はさらに北から南へ北帯・中帯・南帯に細区分される。本町の山地部には、大部分が秩父帯中帯に含まれる川井層が分布する。川井層の東側の八幡山付近の山地及び羽生丘陵には、五日市町層群が分布している。また、草花丘陵では川井層の上位に大荷田礫層が堆積している。
平井ッ原は、第四紀末期の五日市砂礫層によって構成され、関東ローム層によって覆われている。そして、平井川や北大久野川などの河川に沿って、沖積層が分布している。
3 気象
近傍の青梅における年降水量は1422.8mm、檜原村小沢では同1568.6mmであり、山沿いの地域は平地に比べ降水量が多くなる傾向がみられる。青梅の年平均気温は13.3℃で都心より約1度ほど冷涼であり、本町の気候もおおむねこれと同じ傾向にあるものとみられる。1979年〜90年の気温、降水量の準平年値を以下に示す。
月平均気温の準平年値(青梅)
月降水量の準平年値(青梅・小沢)

第2節 人口と面積
1 人口
(1)人口及び世帯の推移 本町の人口は、昭和45年から昭和60年にかけて日の出団地の造成や三吉野パークタウンの開発とともに急増した。特に昭和45年から昭和50年の5年間においては、人口伸び率でみると29%増となっており、他の時期と比べ急激な伸びを示している。昭和60年以降は、急激な増加は無いものの増加傾向が続いており、平成9年1月1日現在で人口16,673人となっている。また、第二次長期総合計画では、平成12年に概ね18,000人の人口を想定しており、今後も人口の増加傾向は続くものと思われる。
世帯数も人口の増加に合わせて増加しており、昭和35年の1,550世帯から平成7年には5,143世帯となり、世帯数は約3.3倍(人口は約2倍)となった。
また、人口以上に世帯数が増加したため、世帯当人員は昭和35年の5.30人から平成7年の3.22人へと減少した。これは、核家族化の進行や1人世帯等の増加によるものと思われる。
人口及び世帯数の推移
年齢別人口でみると40歳〜44歳、45歳〜50歳、51歳〜54歳の年齢層とそれらの年齢層の子供にあたると思われる10歳〜14歳、15歳〜19歳、20歳〜24歳の年齢層が多くなっている。
また、災害時に弱者となりやすい高齢者数(65歳以上)は、平成7年1月1日現在で、2,167人となっており、町の全人口の13%にあたる。 高齢者と同様に災害時に弱者となりやすい障害者数は、福祉施設が多く立地する特定の地区に集中する傾向がみられる。
5歳階級別男女別人口

2 面積
(1)土地利用別面積 本町の土地利用別面積は以下のとおりである。
|
種別
|
面 積(ha)
|
割 合(%)
|
|
宅地
|
2.95
|
10.5
|
|
その他
|
0.57
|
1.8
|
|
公園等
|
0.25
|
0.9
|
|
未利用地
|
0.37
|
1.3
|
|
道路等
|
0.9
|
3.2
|
|
農用地
|
1.97
|
7.0
|
|
水面
|
0.28
|
1.0
|
|
森林
|
20.21
|
71.9
|
|
原野
|
0.05
|
2.3
|
|
計
|
28.08
|
100.0
|
|
東京都都市計画局(平成4年8月)
|
||
(2)都市計画区域面積・市街化区域面積
本町の都市計画区域面積(全域)、市街化区域面積、市街化調整区域面積は、以下のとおりである。
|
種別
|
面 積(ha)
|
割 合(%)
|
|
都市計画区域面積
|
2,818
|
100.0
|
|
市街化区域面積
|
289
|
10.3
|
|
市街化調整区域面積
|
2,529
|
89.7
|
第3節 災害の危険性
1 災害履歴
本町に比較的大きな被害を与えた最近の気象災害としては、昭和41年9月24日の台風26号、昭和54年10月19日の台風20号、昭和57年8月1日の台風10号、昭和57年9月12日の台風18号、昭和61年9月2〜3日の台風15号などがある。本町をはじめ、関東地方南部に影響を及ぼす風水害は、台風よってもたらされるものが多く、大型で並の強さ以上の台風が関東地方を通過する場合、台風の影響を受けて関東地方にかかる不連続線が発達する場合、東日本の太平洋側を通過する台風により、強い雨の地域が関東地方にかかる場合などに災害が発生している。
水害統計調査(建設省河川局)による昭和48年〜平成3年の町内の水害被害は、昭和52年(1回)、54年(1回)、57年(2回)、60年(1回)と数年おきに5回の水害が発生している。原因は、台風によるものが多く、被害は各地で数戸の床下浸水が生じる程度で、最近は大きな被害は出ていない
2 災害危険箇所の状況
町内における土砂災害危険箇所は、土石流危険渓流25箇所、地すべり危険箇所1箇所、急傾斜崩壊危険箇所13箇所がある。
土石流危険渓流は、平成4年度に西多摩建設事務所により点検調査が行われ、町内では平井川や北大久野川の支流に合わせて25渓流があり、うち5箇所が砂防指定地となっている。
また地すべり危険箇所が、大久野の玉の内地内の主要地方道青梅・五日市線北側に1箇所(面積6.1ha)あり、地すべり防止区域(S37.11.13 建設省告示2832号)に指定されている(平成3年度点検調査)。この地域は、昭和29年に地すべりが発生し、昭和35年に工事概成となっている。現状で地すべりは安定しているとみられるが、地形改変時には再滑動の可能性も考えられる。
急傾斜地崩壊危険箇所は、平成8年1月現在の日の出町調査(都建設局河川部報告)で13箇所となっている。内訳はすべて自然斜面で、背後の山地斜面の裾部が急傾斜地となっているもの、平井川沿いの台地の段丘崖の上下に宅地が近接するもの、宅地造成地に隣接した斜面がある。
3 自然条件からみた災害の危険性
町内の急峻な山地では、降雨や地震により土砂災害の恐れがあり、山麓部の道路や家屋・施設等が山際に接しているところでは、背後斜面や下方斜面の崩壊(崖くずれ)の影響について注意する必要がある。既に急傾斜地崩壊危険箇所や地すべり危険箇所に指定されている地域を含め、山地、丘陵地の斜面、崖や露岩などの変形地では崩壊の危険性があり、斜面直下に分布する崖錐などの堆積地形では崩壊土砂の影響を受ける可能性がある。このほか人工的に平坦化された土地や、切土や盛土された斜面などの人工地形でも注意が必要である。
平井ッ原などの台地上の地域における水害、土砂災害の危険性は他の地域に比べ小さい。しかし台地の山際部分や、台地と台地または台地と低地を境する比高の大きな斜面では、降雨や地震による斜面崩壊の可能性があり、崖地に接した施設や家屋ではその影響についても考慮する必要がある。
土石流は、山腹や渓岸の崩壊による土砂が豪雨などの多量の水によって渓流沿いに流下する現象で、突発的に生じることが多く、多量の水を含んだ土砂による大きな破壊力により、谷間や渓流付近の住家等に大きな被害を及ぼすことがある。土石流が発生した際、周囲の宅地や施設に影響を及ぼすおそれのある渓流については、調査の上土石流危険渓流として指定されており、こうした渓流の出口付近では、大雨の際には土石流に対する注意が必要である。
谷底平野・氾濫平野などの低地のうち、河床との比高が小さい土地や水が集まりやすい凹地では、河川の増水により浸水する可能性がある。従来は水田であった土地を、開発にともない盛土して宅地として利用している地域では注意が必要である。
また人工的に地形を改変した土地では、切り取りによる崖地や法面の崩壊、切り盛り境界等における地盤変形等による宅地への影響が予想される。
また地震時に揺れが強くあらわれる(強くゆれる)地形としては、谷底平野、氾濫平野などの低地、高い盛土地や埋立地などの人工地形、地形の境界部分などがある。こうした地域では強いゆれにより、被害が大きくなるほか、地震時に地盤が変位しやすく、地中埋設管や地上の構造物の被害が大きくなったり、地盤の不同沈下により被害が生じることが予想される。本町においては、平井川沿いの谷底平野・氾濫平野と人工改変地があり、平井地区の三吉野周辺や、日の出団地などにこれらの地形が分布する。なお本町においては、液状化発生の可能性がある砂質地盤は分布せず、地震時における液状化の影響はほとんどないとみられる。
4 東京都に被害を及ぼす地震及び地震活動の特徴
東京都に被害を及ぼす地震は、主に相模湾から房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近で発生する地震と、陸域の様々な深さで発生する地震がある。 相模湾から房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近で発生する地震としては、1923年の関東地震(M7.9)では、都内のほとんどで震度5〜6の揺れとなり、大火災が発生したことも災いして、当時の東京府内で、死者・行方不明者107,519名などの非常に大きな被害が生じた。また、1703年の元禄地震(M7.9〜8.2)でも当時の江戸は大きな被害を受けた。
東京都は東部から西部へ低地、台地、丘陵地の順に地形が配列し、本町は台地、丘陵地が関東山地に接する位置にある。都内の主要な活断層としては、多摩地区に活動度B級の活断層である立川断層帯が北西−南東方向に延びている。活断層調査の結果、立川断層帯の南端部では、西暦約1100年以降に活動した証拠が見つかっている。また、立川断層帯の北部では、約1800年前に活動があったことが推定されている。平均活動間隔は5000年程度と推定されているが、過去の活動についての詳細な調査はまだ行われていない。都内の関東平野の地下にも、未発見の活断層が存在する可能性があるが、地形の変形の度合いからは、A級の活動度を持つような活断層が存在する可能性は低い。
陸域で発生した被害地震としては、荒川河口付近で発生した1855年の(安政)江戸地震(M6.9)が知られている。この地震は、浅い地震であったか、関東地方の下に沈み込んだフィリピン海プレートに関係したやや深い地震であったか、はっきりしていない。この地震により、下町を中心に全体として死者約10,000名などの大きな被害が生じた。また、沈み込んだ太平洋プレートに関係する陸域の深い地震としては、(明治)東京地震と呼ばれる1894年の地震(M7.0)が知られている。この地震では、東京湾岸を中心に、都内で死者24名などの被害が生じた。さらに歴史資料によると、17世紀前半などに、江戸付近で発生したM6〜7程度のいくつかの地震により、被害が生じたことが知られているが、これらの地震が発生した深さは分かっていない。1992年の東京湾南部(浦賀水道付近)の地震(M5.9、深さ92km)など周辺地域で発生する地震や東海沖などの太平洋側沖合で発生するプレート境界付近の地震によっても被害を受けることがある(科学技術庁地震調査研究推進本部(1997)「日本の地震活動−被害地震から見た地域別の特徴」による)。
東京都防災会議は、平成3年9月に関東地震の再来を想定した「東京における地震被害の想定に関する調査研究」を公表した。 また、平成9年8月には、直下型地震を想定した「東京における直下地震の被害想定に関する調査報告書」が公表された。
これらの調査の概要及び本町に関わる被害の状況は次のとおりである。
第1節 被害想定の前提
東京全域を500mメッシュに区分して、各メッシュ毎の地表最大加速度及び液状化の可能性を求めている。
|
前提条件
|
||
| 平成9年想定 | 平成3年想定 | |
| 震源 | 区部直下、多摩直下、神奈川県境、埼玉県境の4箇所 | 相模トラフ(関東地震の再来) |
| 規模 | マグニチュード(M)7.2 | マグニチュード(M)7.9 |
| 季節・時刻 | 冬の平日・午後6時 | 冬の平日・午後6時 |
| 気象条件 | 風速6m/秒 | 風速6m/秒 |
| 人口・世帯 | 平成7年国勢調査 | 昭和60年国勢調査 |
第2節 被害想定結果
被害想定の結果は以下のとおりである(平成9年の想定結果は、日の出町に最も大きな被害を及ぼす多摩直下の地震による被害を示した。)。
|
基礎的数値(人口)
|
||||||||
|
区 分
(人) |
多摩直下の地震
|
関東地震
|
||||||
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
|
|
夕方推計値
|
11,946
|
3,181,733
|
11,222,592
|
14,404,325
|
12,371
|
2.,893,678
|
10,783,042
|
13,676,720
|
|
夜間
|
16,701
|
3,773,914
|
7,967,614
|
11,741,528
|
15,787
|
3,439,190
|
8,346,709
|
11,785,899
|
|
昼間
|
11,639
|
3,308,376
|
11,420,477
|
14,728,853
|
12,053
|
3,005,672
|
10,958,178
|
13,963,850
|
|
基礎的数値(建築物)
|
||||||||
|
区 分
(棟) |
多摩直下の地震
|
関東地震
|
||||||
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
|
|
木造
|
8,935
|
741,625
|
1,263,694
|
2,005,319
|
7,712
|
753,831
|
1,328,604
|
2,082,435
|
|
RC,S造その他
|
550
|
160,772
|
453,171
|
613,943
|
293
|
75,332
|
238,325
|
313,657
|
|
合計
|
9,485
|
902,397
|
1,716,865
|
2,619,262
|
8,005
|
829,163
|
1,566,929
|
2,396,092
|
|
ゆれの大きさ
|
||||||||
|
区 分
(%) |
多摩直下の地震
|
関東地震
|
||||||
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
|
|
加速度400gal以上
面積率 |
0.0%
|
0.2%
|
0.1%
|
0.2%
|
0.0%
|
0.0%
|
1.5%
|
0.5%
|
|
震度6強面積率
|
0.0%
|
0.0%
|
0.6%
|
0.2%
|
-
|
-
|
-
|
-
|
|
震度6弱面積率
|
14.5%
|
29.1%
|
38.5%
|
32.4%
|
-
|
-
|
-
|
-
|
|
震度5強面積率
|
84.6%
|
38.8%
|
58.0%
|
32.4%
|
-
|
-
|
-
|
-
|
|
建物被害(木造)
|
||||||||
|
区 分
(棟) |
多摩直下の地震
|
関東地震
|
||||||
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
|
|
全壊
|
127
|
6,917
|
10,890
|
17,807
|
0
|
2,413
|
25,803
|
28,216
|
|
半壊
|
381
|
20,596
|
25,870
|
46,466
|
306
|
11,828
|
92,743
|
104,571
|
|
一部損壊
|
1,017
|
54,411
|
46,314
|
100,725
|
-
|
-
|
-
|
-
|
|
合計
|
1,525
|
81,924
|
83,074
|
164,998
|
306
|
14,241
|
118,546
|
132,787
|
|
建物被害(RC,S造その他)
|
||||||||
|
区 分
(棟) |
多摩直下の地震
|
関東地震
|
||||||
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
|
|
全壊
|
7
|
1,342
|
6,426
|
7,768
|
1
|
1,010
|
7,117
|
8,127
|
|
半壊
|
10
|
1,947
|
9,211
|
11,158
|
8
|
2,751
|
11,751
|
14,502
|
|
合計
|
17
|
3,289
|
15,637
|
18,926
|
9
|
3,761
|
18,868
|
22,629
|
|
人的被害
|
||||||||
|
区 分
|
多摩直下の地震
|
関東地震
|
||||||
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
日の出町
|
多摩
|
区部
|
都全体
|
|
|
死者
|
3
|
517
|
1,303
|
1,820
|
1
|
541
|
8,822
|
9,363
|
|
建築
|
3
|
431
|
446
|
877
|
1
|
0
|
97
|
97
|
|
火災
|
0
|
36
|
734
|
770
|
0
|
421
|
8,542
|
8,963
|
|
*その他
|
0 |
50
|
123
|
173
|
0
|
120
|
183
|
303
|
| 負傷者 |
129
|
26,331
|
39,072
|
65,403
|
2
|
22,350
|
124,718
|
147,068
|
|
重傷者
|
10
|
2,706
|
3,285
|
5,991
|
0
|
3,856
|
17,237
|
21,093
|
|
軽傷者
|
119
|
23,625
|
35,787
|
59,412
|
2
|
18,494
|
107,481
|
125,975
|
| 避難所生活人数 |
961
|
321,806
|
410,538
|
732,344
|
399
|
409,977
|
1,696,922
|
2,106,899
|
|
帰宅困難者
|
253
|
366,111
|
3,348,023
|
3,714,134
|
74
|
197,718
|
2,232,687
|
2,430.405
|
|
*その他は、崖崩れ、ブロック塀等被害
|
||||||||
第1節 防災上の課題
防災アセスメント等の結果から、本町は、地区別に見ると土砂災害の危険性が高い地区と火災による延焼危険性がある地区の大きくは2つに分けることができる。
土砂災害に関しては、土砂災害の防止対策事業、点検、さらには、地区の孤立化防止のための道路基盤の整備、万一地区が孤立化した場合の地区毎の防災力の向上等が計画に盛り込まれる必要がある。
延焼火災に関しては、建物の不燃化の促進、道路の拡幅・新設等による安全な避難や円滑な消防活動の確保、公園等オープンスペースの確保による避難できる場所の整備といった内容が計画に盛り込まれる必要がある。
以上のことから本町の災害に対する課題は、以下のようにまとめることができる。
・平井川、北大久野川等の河川から受ける水害の解消
・山地がちな地形から起こりやすい、土砂災害の未然防止
・土砂災害等による道路寸断による孤立化の防止
・孤立化した場合に対処できる地区防災力の向上
・密集市街地での火災の未然防止
・オープンスペース等の確保による安全な避難場所の確保
・町民への防災意識の啓発
第2節 防災ビジョン
防災ビジョンは、本町の防災基本方針として、地域の災害危険性を考慮し、それを解消していくために、防災行政を進める上での基本姿勢、住民の防災に対する心構え、防災施策の大綱を定めるものである。
ここでは、防災アセスメントによる課題を受け、以下のように防災ビジョンを定める。
|
日の出町防災ビジョン
|
|
No
|
名称
|
住所
|
面積(m2)
|
収容人数(人)
|
| 1 | 平井小学校 | 日の出町平井1218 |
7,238
|
3,619
|
| 2 | 本宿小学校 | 日の出町平井1855 |
10,298
|
5,149
|
| 3 | 大久野小学校 | 日の出町大久野1175 |
12,889
|
6,445
|
| 4 | 平井中学校 | 日の出町平井2654 |
18,337
|
9,169
|
| 5 | 大久野中学校 | 日の出町大久野1559 |
11,280
|
5,640
|
| 6 | 日の出町公民館 | 日の出町大久野1165 |
-
|
-
|
| 7 | 日の出町民グランド | 日の出町平井2777 |
8,756
|
4,378
|
| 8 | 日の出団地中央公園 | 日の出町平井2196-636 |
5,167
|
2,584
|
| 9 | 肝要の里 | 日の出町大久野4100 |
3,476
|
1,738
|
|
(収容人数は1人当2m2として求めた)合計
|
77,441
|
38,721
|
||